日本醸造協会主催 全国新酒品評会 名誉賞 賞状と盃
白瀧酒造株式会社は、戦前から銘酒「白瀧」に高い評価を受けていた。
日本醸造協会主催の全国新酒品評会では、第14回、第15回、第16回(昭和14年~昭和16年)と3年連続で名誉賞を受賞している。
四代目 高橋 藤三郎へ宛てた 小説家 久米 正雄の書簡
小説家、劇作家として知られる久米 正雄(1891~1952)は、東京帝国大学在学中に芥川龍之介、菊地寛らとともに第三次「新思潮」を創刊した人物。
芥川とともに夏目漱石の門下生となり、翌年小説「父の死」、戯曲「阿武隈心中」などを発表、漱石の死後、その娘への失恋体験を「螢草」「破船」「墓参」などの作品に書き、一躍脚光を浴びた。
また小山内薫、久保田万太郎らと演劇改良運動に力を注ぎ、評論や翻訳などでも活躍するなど、鎌倉文士の中心的な存在であった。
この書簡は、文学を通じて親交のあった蔵元四代目・高橋 藤三郎への礼状。高橋 藤三郎は川端 康成とも交流し、芸術への造詣の深い人物であった。
雲洞庵 座主 新井 石龍 揮毫 白瀧
越州随一の名刹として知られる雲洞庵は、藤原 房前(ふじわら ふささき/681~737 )が創建。鎌倉期から戦国期は曹洞宗の禅寺として崇められ、上杉氏などの武将、大名も丁重に奉った。
歴代座主は雲洞庵様(うんとあんさま)として敬われ、この「白瀧」は蔵元五代目・高橋 敬一郎の友人であった座主・新井 石龍(あらい せきりゅう)の揮毫である。
余談ながら、雲洞庵と南北朝期の武将・楠 正成(くすのき まさしげ)の深い縁から、高橋家(湊屋)の遠祖は、楠一族の郎党であったと推察されている。