名水や京文化と共にある酒造り
京都の南に位置し、歴史の表舞台にも幾度となく登場する伏見。「伏水」とも称されるほど、豊かで清冽な地下水が流れることで有名な地です。
山本本家は伏見で江戸初期から酒造りに携わり、銘酒「神聖」や「松の翠」の蔵元として広く名を知られています。伏見の七名水に数えられる「白菊水」から造られる日本酒は、京料理とも調和するまろやかな味わいが特徴です。
山本本家が繊細な味わいの酒造りを続けている理由のひとつに、京都の伝統文化や茶道との深い結び付きがあげられます。「松の翠」は表千家の茶事で使われる唯一の公式銘柄となっており、当主の山本源兵衞社長自身も茶道を嗜み、 さなざまな伝統文化への造形が深い方でもあります。
「私たち酒蔵も文化を守っていく一翼を担い、京都の文化の輪の中に加わっていくことが大切です。」と山本社長が語る通り、山本本家のお酒は京料理や茶懐石などの和食との相性を重視し、食事を引き立てていく食中酒として磨き上げ られたものです。
今回は、歴史ある名水の街伏見で、京都の文化と共生しながら酒造りを続ける山本本家を訪れてきました。