錦絵の描かれた 貝合わせ
いわゆる、雅やかな平安時代から使われていた貝合わせ。錦絵を描いている顔料は、江戸時代まで使われていた岩絵具と思われる。 その素朴な風合いと色褪せた絵柄が、ゆかしい時代の暮らしを偲ばせる。 吉田屋時代の令嬢や奥方たちが、祝儀や節句の時に楽しんだのであろう。
江戸時代の消化器 龍吐水
龍吐水(りゅうどすい)とは、江戸時代の消火器のこと。 享保年間(1716~1736)にオランダから渡来したと言われている。明和元年(1764)には、江戸城下13組の町火消に一基ずつ支給されているが、それはもっと大型の物で、これは一般家庭用のタイプである。打銘には「龍吐水師 山口屋久兵衛」とあり、当時、このような消火器専門の匠がいたことを伝えている。 江戸へ行脚した吉田屋多吉が、入手したものかも知れない。
慶祝の宴を想わせる 献立表
高木家に残る、江戸時代の献立表。 当時は慶祝事のあるたびに、三日三晩ぶっ通しで祝宴が催されたと言う。 いわんや酒蔵の吉田屋、ふるまう料理にもこだわっていた。 その贅沢な宴を髣髴とさせるメニューが、ここに記されている。