大正ロマンを感じさせる「陶器の酒樽」
1升瓶が普及するまでは、だれもが酒蔵で量り売りの酒を甕(かめ)や壷に入れてもらっていた。
この「七笑」と「木曽錦」の2つの代表銘柄も、当時の「藤新」の店頭に並んでいたもの。
中に入れた原酒は水割りして売っていたが、酒を入れ忘れて水だけを売ってしまい、帰宅したお客が「今日の酒は、水みたいな酒だな」とぼやいたこともあったそうな。
七笑にちなんだ「七福神の額絵」
12年前、土蔵の中を片づけていた潤吾常務が偶然発見した、珍しい「七福神」の額絵。
車座になった7人の神様の真ん中には、“七笑”の赤い盃と亀が描かれている。
揮毫は「耕雲」とあり、おそらくは明治から大正時代に活躍した日本画家 山田耕雲(やまだ こううん)の作品と思われる。
耕雲は明治11年(1878)京都生まれ。
帝展審査員。文展・帝展ほか入賞は多数あり、昭和31年(1956)に没。