山廃特集
2019 年2月
腰の強い山廃とよく合う肴で立春を迎える
山廃とは
「山廃」とは、酒母製造方法の一つ。日本酒造りでは酵母を増殖させる過程(酒母)で「速醸系」と「生もと系」に分かれますが、「山廃」は「生もと系」に入ります。「生もと系」は、自然の力で酵母を育てる製法。麹、蒸し米、水を櫂棒で摺りつぶす「山卸」という作業をしていましたが、それを廃止した作り方なので「山廃」と呼ばれます。力強く、重厚で骨太な味わいが特徴。温めることにより旨味成分が増すので、燗酒に良く合います。
今月の肴
地酒に合う料理長の厳選メニュー
かきの煮付け
シンプルな味付けが山廃と合う
広島県産牡蠣を醤油、砂糖、みりんでシンプルに味付けをし、弱火で煮付け、とても柔らかく仕上げました。身がしっかりして食べ応えもあり、たまり醤油を付けた甘みは地酒を引き立てます。
ふろふき大根
口の中で踊る地酒に合うハーモニー
味がよく染み込んだ、昆布とだしで炊いた大根。上には赤味噌をベースとした味噌だれをかけました。刻んだ柚子で香り付けし立春を感じさせます。それら全てのハーモニーが地酒によく合います。
あん肝レンコンのはさみ揚げ
止まらなくなる大人のサンド
カナダ産のあん肝を茨城県産のレンコンで挟み、天ぷらの様に揚げました。ポン酢を付けてお召し上がりください。大葉のアクセントもよく合い、癖になる大人のサンドです。
今月の地酒
今が飲み頃の地酒3銘柄をセレクト
福正宗 山廃純米生詰
食の国・金沢で最も愛されている地酒「福正宗」から、独自の米発酵技術と無菌充填システムにより常温流通可能な生詰酒が誕生しました。
石川県 株式会社福光屋
山廃仕込特別純米酒 山猿
幻の酒米「穀良都」を使用し但馬杜氏が但馬流山廃仕込で醸しました。独特の旨味・特有の酸味を持ちながら飲み易い山廃仕込。揚げ物やチーズなどとも相性が良い。
山口県 永山酒造合名会社