冷や卸特集
2018 年10月
季節も移ろう神無月。深みを味わう大人のひととき
冷や卸とは
その昔、お酒を瓶に詰めて出荷する前の加熱殺菌は、大鍋にお湯を溜め、瓶ごと浸けて行なっていました。中のお酒の温度が62℃ぐらいになるので、蔵人の手は熱で剥け大変でした。秋になると暑さも和らぎ、加熱殺菌をしなくても『冷や(そのまま)で出荷(卸し)』できるようになります。これが『ひやおろし』の語源です。穏やかな香り、滑らかな味コクは、秋の味覚と相性抜群。秋の夜長を、旬の食材と旬の日本酒をあわせて楽しんでみてはいかが?
今月の肴
地酒に合う料理長の厳選メニュー
鯒(こち)の薄造り
素材の味を贅沢に愉しむ
鯒は漁獲量が少なく料亭などにしか出回らない高級魚。 適度に弾力のある噛み応えと、くせがなく透明な旨味はまさにふぐに匹敵します。やわらかにふくらむひやおろしの旨味とバランスの良い贅沢な一品です。
牛もつの煮込み
4種の味噌ともつのまろやかさに包み込まれる
まろやかでコクのあるひやおろしといただくのは、4種の味噌を使用した牛もつの煮込み。 異なる熟成具合の二種類の長野県産味噌と、山形、名古屋の味噌をブレンドし味に深みを出しました。 口の中でクリームのようにとろけるもつはまさに絶品です。
秋刀魚の塩焼き
旬のお酒を旬料理でいただく至極のひととき
秋にしか味わえない円熟の味わいのひやおろしと、今が旬の秋刀魚の季節の料理。 秋刀魚の健康的な脂乗りと、上質な旨味はシンプルにすだちと大根おろしでいただきます。 まさに王道。相性抜群の時期の味覚です。
今月の地酒
今が飲み頃の地酒3銘柄をセレクト
ねのひ ひやおろし純米吟醸生詰
春先に搾った原酒を一度火入れし、ひと夏じっくりと熟成。秋口に火入れをせずそのまま瓶詰めした「ひやおろし」です。香り穏やかで程よく旨みが乗った味わいは秋の味覚と相性がよく、食中酒としてお楽しみいただけます。
愛知県 盛田株式会社
柏露 さんずい ひやおろし純米吟醸
前年11月の寒造り新酒を春、夏と熟成させ、秋に蔵出しした「ひやおろし」、まろやかな飲み口、バランスの良い味わいは幅広いお料理に合います。
新潟県 柏露酒造株式会社